Laba diena! 今回もリトアニアの素敵なスポットご紹介。
旧市街地の中心、大聖堂からネリス川を川沿いに東に向かって15分ほど進むとひょっこりと一つの教会が見えてきます。聖ペテロ・パウロ教会 Šv.Petro ir Povilo Bažnyčiaというヴィリニュスを代表する記念碑的教会です。

この教会の1番の特徴は、その彫刻の数です。2000体以上に登る数々の彫刻はどれ一つとして同じものは存在せず、およそ30年かけて作られたのだとか。その数、美しさは訪れる人々を驚かせます。天井からは日の光が差し込み、時間と共に景色を変え、さらに彫刻を魅力的に見せてくれています。
天井から降りているのは、ノアの方舟をモチーフにした作品。ノアはこの船で家族と動物たちと乗ったのでしょうか。

教会中にある彫刻はキリスト教の旧約聖書や聖書の世界でうめつくされています。また面白いのは、神話として伝えるものの中にリトアニアの戦史にまつわるものが混ざっていること。常に周辺の国との抗争で過酷な時代を過ごしてきたリトアニアでは、人々のよりどころである教会に己が国の歴史も形として残そうとしていたのかもしれません。教会の彫刻やステンドグラスは文字の読めない人にもわかるようにという意図があると言われていますが、その意味を改めて実感します。たとえ、聖書の意味がわからなくとも彫刻を見るだけで感じるものがあります。

少し肌寒く、しんと静まり返る教会の中、じっとして内部見ていると時間が止まったかのように感じられます。筆者は残念ながらこの教会のミサに立ち会ったり、オルガンの演奏を聴いたりしたことはありませんが、美しい彫刻、作品に囲まれてさぞかし美しい音楽が聴けるのではないかと想像します。次にリトアニアに訪れる際にはぜひ聴いてみたいものです。
