バルト三国 おすすめの本〈小説〉

  • 2021年8月4日
  • 2021年8月8日
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この夏の暑い季節、みなさんはいかがお過ごしですか?

こんな暑い季節は、大好きなバルト三国含む北欧の国々で涼しい夏を過ごしてみたい、そんな気持ちになります。

みなさんは北欧ってどんなイメージがありますか?筆者は児童文学の「ムーミン」をきっかけに北欧の国を知りました。なので今でも北欧の国=「ムーミン」の世界というイメージはそのまま、初めて訪ねてからもずっと憧れの国々です。

小説やアニメ、映画など、そうしたものから様々な国、またその国の文化の憧れを持つことは今でも多々あります。

今回は、気楽にバルト三国の文化について楽しめる筆者おすすめの小説をご紹介したいと思います♪

この小説のおすすめポイントをネタバレいっさいなしで紹介していきますので、安心して最後まで読み進めてください。

本の紹介

「ミ・ト・ン」

作 小川糸 

画 平澤まりこ 

出版 白泉社

目次

おすすめポイントその1:「ラトビアを舞台にしたほんわかストーリー」

おすすめポイントその2:「バルトの人々の生活文化が知れる」

おすすめポイントその3:「物語の後に綴られている作者の取材記録が最高」

おわりに


おすすめポイントその1:「ラトビアを舞台にしたほんわかストーリー」

この小説の舞台は、ラトビアをモデルにしたルップマイゼ共和国という国です。昔ながらの暮らしを守る穏やかな国に誕生した一人の女性の一生を描く物語になっています。タイトルにある「ミトン」は、この国の人々にとって、人生の節目節目でとても大切なものとして登場します。一人の女性が生まれてから大人、おばあちゃんになるまで、1人の人間の一生を見守ると主人公に愛着を持たずにはいられません(笑)。自然とともに、時に時代に翻弄されながらも慎ましく、強かに生きてく姿に、筆者は「物語」の中の人物ということを忘れて、思わず感情移入してしまいました。

おすすめポイントその2:「バルトの人々の生活文化が知れる」

おすすめポイント1でも触れましたが、この話はラトビアをモデルにした王国がモデルになっています。タイトルの「ミトン」しかり、クリスマスや結婚式、夏至のイベント、森とともに生きる生活など、バルトの人々の生活文化がこれでもか!というほど詰まっています。強調して紹介するというよりも、物語の世界そのもの、登場人物の生活自体がそのまま表現されています。時間がゆっくりと流れるようなそんな印象を覚えます。バルトの国々では今でも自給自足をして暮らしている人々がいるそうです。現在の生活と多少の違いはあるにしても、バルトの国々の文化や雰囲気を楽しむにはもってこいだと思います。

おすすめポイントその3:「物語の後に綴られている作者の取材の記録が最高」

この物語を書くために作家の小川糸氏がラトビアを訪ねた時のことをイラストレーターの平澤まりこ氏のやわらかい素敵なイラスト付きで紹介しています。ここでは物語に登場しなかった文化の紹介やラトビアの民族衣装、歌の祭典のことについても記されていて、物語が読み終わってもぜひ最後まで読んで欲しいところです。

ラトビアの人々の暮らしや文化、風習などがたくさん詰まっています。

おわりに

エストニア、ラトビア、リトアニアのバルト三国は、イギリスやフランスなどのヨーロッパの国と比べると観光雑誌にとりあげられる機会はもちろん、映画や小説などに取り上げられることも少ないのが現状です。日本語で読める本として、バルト三国について書かれた歴史の本は多数出版されていますが、バルト三国を研究する研究者たちによって書かれた本は「ちょっと興味があるから読んでみよう」というには、少々ハードルが高いのが正直なところです。

バルトの国々について「知りたい」と思ったら、観光雑誌を手に取ったり、スマホやパソコンでググったりすることが多いと思いますが、まずはどんな国か知らなくても、とりあえず「読んでみて!」とこちらの本をおすすめしたいと思います。この本は知識0からでもその国の文化や人々がどんな暮らしをしているのかが楽しめる素敵な一冊です。雰囲気を堪能して、ほっこりした気持ちになって楽しい時間を過ごしてもらえたらとても嬉しいです。

それでは今回はこの辺で。

Iki !



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