リトアニアの風土と4つの地域

Labas ! こんにちは。

今回はリトアニアについて知ってもらうのに、リトアニアの風土の特性や、国内の地域区分についてご紹介したいと思います。

日本では北は北海道、南は沖縄まで。関東、関西、東北、四国などなど地域の区分があります。それぞれの地域で特産品があったり、方言やその地域ならではの地域性があったりします。それぞれの地域を見ていくことは、その国のことをさらに深く知ることにつながると思います。

地域区分やそれぞれの地域についてご紹介する前に、リトアニアの国としての風土の全体的な特徴をご紹介します。

リトアニアの風土の特徴

1.広々とした平野

2.水が豊か

3.夏は短く、冬が長い

4.雨が多い

 

1.広々とした平野

リトアニアは、ヨーロッパの中でも広々とした平野が広がる地域に位置しているので、上空から見下ろせばどこまでも景色を見渡すことができます。リトアニアの地域を見ていくのに、西の沿岸部の低地地方と東の内陸部の高地地方に分けられますが、高地地方の最高標高地は294メートルと控えめな数字です。

(ちなみに日本の山の最高標高は富士山3776メートル。また、関東にお住まいの方はよくご存知の高尾山は標高599メートルです。)

日本でいう高地地方とは異なるみたいです汗

 

2.水が豊か

2つ目の特徴は、水が豊かな国であるということ。リトアニアにはヨーロッパ北部の最大級の川であるネムナス川とネリス川がゆるやかに流れています。この2つの川のような大きなものは、20もないですが、長さ3キロメートル以上の川はなんと4400にも登るのだとか。また天然の湖や池がおよそ6000あると言われています。

リゾート地として有名なドゥルスキニンカイDruskininkaiは、リトアニア南部のネムナス川沿いにある温泉街、保養地。水が豊かなリトアニアを体感できる場所と言えます。

ネリス川

3. 夏は短く、冬が長い

リトアニアは、北緯53〜57度に位置しています。日本の樺太北部がだいたい北緯54度ですから、日本に住む人々からするとかなり北に位置することがわかるのではないでしょうか。

夏は涼しく短い。そして、日が長い。筆者が7月に訪れた時は、夜の22時で日本の夏の18時くらい(夕方)のような空模様でした。冬は長く、川や湖は凍りつき、11月上旬から3月下旬にかけては雪がたびたび降る。夏とはうってかわって、日も短く15時には日が沈んでしまいます。街にあるイルミネーションがないとかなり寂しげな街である印象です…。

4.雨が多い

これは、筆者個人的に思うリトアニアの印象にはなってしますが、スコールのような雨にたびたび会うことがあります。日本と異なり、湿度が低く乾燥しているので、一度雨が降り出すと気温も一気に下がります。ダウンコートがないと寒いくらいに(初めてのリトアニアへの一人旅では、風邪をひきました汗)。

ちなみにリトアニア語で雨はlietusと言い、リトアニアLietuvaという国の名前の由来となっているという説もあるのだとか。

イベント準備の最中も容赦なく雨が降ってました。スタッフさんがんばって・・・


ざっくりとリトアニアの風土についての特徴をご紹介しました。

リトアニアは、北海道の8割ほどの大きさを持ち、その中には多くの都市、街が存在します。特徴1でお話しましたとおり、西の沿岸部の低地地方(ジェマイティヤŽemaitija)と東の内陸部の高地地方(アウクシュタイティヤAukštaitija)と大きく2つの地域に分けられ、方言、地域性が異なります。日本で言えば西日本と東日本という感じです。

ここからは、リトアニアの歴史的に形成されてきた文化的な区分である4つの地域とその特徴についてご紹介します。

リトアニアの4つの地域

1.アウクシュタイティヤ Aukštaitija

2.ズキヤ Dzūkija

3.スヴァルキヤ Suvalkija

4.ジェマイティヤ Žemaitija

1.アウクシュタイティヤ Aukštaitija

リトアニアの北東部に位置する地域。4つの地域の中でもっとも広く、歴史的に変遷はありますが、13世紀からリトアニア大公国とその位置はほとんど一致しています。

水が豊かな美しい湖水地方では、ビールの生産が盛ん。陽気な性格で、共同体としての意識が高いと言われ、リトアニアを代表する作家や詩人を何人も輩出しています。カウナスKaunas、トラカイTrakaiは、この地域に属します。

この地域の出身者

・アンターナス・バラナウカス Antanas Baranauskas 1835-1904 詩人(代表作『アニクシュチュイの松林 Anykščių šilelis』)

2. ズキヤ Dzūkija

リトアニアの南東部に位置し、ポーランドやベラルーシと国境を接している地域。自然豊かな土地がたくさんあり、人々はきのこやベリーをとり、人々は自然とともにたくましく生きています。逆境に立ち向かう明るく情熱的な性格の方が多く、歌を愛する文化が根付いているそう。

首都ヴィリニュスVilinus、リゾート地として有名なドゥルスキニンカイDruskininkaiはこの地域に属します。

この地域の出身者

・ミカロユス・コンスタンティナス・チュルリョーニス Mikalojus Konstantinas Čiurlionis 1875- 1911 リトアニア人画家・作曲家

3.スヴァルキヤ Suvalkija

リトアニアの中西部に位置する地域。4つの地域の中ではもっとも小さい。

18世紀のポーランド分割によって、プロイセン領になった歴史があり、そのためか勤勉な倹約家が多いと言われています。街には、プロイセン領だったころの面影が残っているのだとか。また、農業の近代化がいち早くすすんだ地域で、裕福な農家から民族復興運動の指導者たちが誕生しました。

この地域の出身者

・ヴィンツァス・クディルカVincas Kudirka 1858- 1899 リトアニア国歌作詞・作曲者

・ヨーナス・ヤブロンスキスJonas Jablonskis 1860-1930 言語学者、リトアニア語の標準語創始者の一人

4. ジェマイティヤ Žemaitija

北西部に位置するリトアニアの低地地方。

ドイツ騎士団からのたびたびの攻撃に怯えずに戦った歴史があり、伝統を重んじ頑固で強靭な精神力を持つ人々が多いと言われています。リトアニア語の方言の一種であるジェマイティヤ語が存在し、内陸地の地域とは異なる顔をもつ地域です。

十字架の丘のあるシャウレイ、クライペダはこの地域に属します。


いかがでしたか?

ここで紹介した区分は歴史を踏まえた文化的な区分であり、行政の地域区分とは少し異なります。

またの機会に行政区分についてはご紹介できましたらと思いますのでお楽しみに。

今回は4つの大きな区分を紹介しましたが、リトアニアという一つの国をとってしてみても、さまざまな顔があることが、ほんの少しでも伝えられたらとおもいます。日本では、首都のヴィリニュスや第二都市カウナスがよく紹介されていますが、ぜひ他の都市や地域にも目を向けていくきっかけとなりましたら嬉しいです。

それではまたお会いしましょう。

Iki !



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